目次
はじめの一行
クイズです。
ある人気の八百屋さん。
このお店では普通はあまり伝えない
「あること」を
お客さんに伝えている
そうです。
「あること」とは
いったい何でしょうか?
いきなりクイズから始まる本書。
ちょっと謎めいたタイトルなんかから考えるに、コピーライターの本かな?と思ったら書籍の編集者さんだそうです。
最近編集者さんの活躍が目覚ましいですね。
他人の本を売れるようにできる人は、自分でも売れる本を書ける人なんでしょうか。
出だしをこのようなクイズ形式にしたり、読みやすく大きめのフォントにしたり、当然一文は非常に短くしたり。
こういった読ませる工夫、関心を持たせる工夫が随所にちりばめてある本です。
本書の内容
伝わる技術
本書では伝わる技術を解説しています。
伝えるではなく、伝わるへのこだわりが結構あります。
タイトルなどから類推して、モノを売るための文章・表現技法かな?と思って購入しましたが、実際はもう少し範囲が広い。
とにかく自分の脳内にあるイメージを、相手にどう投影させるか。
本書には具体的な技術、ノウハウ的なこともたくさん書かれています。
たとえば、比較を使うとか、
落ちが詰まらない人は、そもそもフリがびみょうであるとか、
事実と感情についての考察とか、
言い換えとか。
こういったコミュニケーションの技術を、丁寧に教えてくれる一冊。
文章はもちろんですが、会話なんかにも使える内容です。
最後のコツは
終局のところ、何かを伝えるということは、自分の頭の中身を言語に変換し、
それを相手に伝えて、相手の脳内に近いイメージを想起させるというのがコミュニケーション。
となると、自分自身の翻訳力だけでなく、相手の受け取り力も重要になってきます。
コミュニケーションの達人というのは、実は相手の経験や知識から類推した、相手の脳内の状況をしっかり推し量り、そこに合わせたコミュニケーションを持ちかけられる人、というのが本書の結論ではないかと思います。
伝わる努力は大事だけれど、最後は伝わらないというのが人と人との対話。
そういった前提で、どこまで伝わりきれるかをいろいろ想像しながら行うのがコミュニケーション。
それには相手への思いやりが必要で、実はこれって道徳的な意味だけではなく、ちゃんと伝わるためにも必要なこと。
そんな内容だったように思います。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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