はじめの一行
はじめに
すべての学ぶひと、伸びるひとへ。
すべての教えるひと、育てるひとへ。
わが胸いっぱいの経緯とともに、この共に考え、共に生きる書を捧ぐ。なかでも、受験に苦しむ生徒に届けたい。
なぜ受験するのか、受験した先には何があるのか。
それを知ってこそ、こころを落ち着かせた学び、人生の試練に臨むことができるから。なかでも、この日本社会で生きること、そのものに苦しむひとへ届けたい。
なぜ生きねばならないのか、生き抜いたとして、その先には無があるだけではないのか。
本書のまえがきは、ちょっとポエムチックな始まりです。
そもそもこの著者の方は、非常に感情的に厚いものを持っているようで、内容はもちろんしっかりした調査から事実を伝えようとしていますが、感情もかなり漏れ出ています。
そういった著者の思いを強く反映したのが、このまえがきなのかもしれません。
本書の内容
私たちは日本のことをなんにも知らない
これを私が感じたのは別の機会だったのですが、私たち日本人は、日本ができたときのことをあまり知りません。
例えばアメリカは、その経緯がしっかりと語り継がれ、皆で祝う日であるのに、私たちの国のルーツは実はあまり知られていない。
それはシンプルに、そういった教育がなされないから。
日本という国の歴史を、私たちは部分的にしか学んでいないのでした。
連綿と続く天皇の系譜であったり、国生みの物語であったり、私たちは自分の国の建国ストーリーを知らないのです。
さて、こういう話をすると、やたらと右に傾いてる、みたいな話になりがちです。
しかし、自分が住む国のことをもっと知っていてもいい、というのは当たり前の考え方ではないでしょうか。
本書はエキセントリックに国粋主義を叫ぶものではなく、事実を事実としてまずは知り、その先の判断をしてもらおうという趣旨の内容に感じました。
日本が背負っている物
本書の中では、まず日本の歴史についてが語られます。
そして、拉致の問題、国土の問題。
そして東日本大震災における原発の問題。
そして、硫黄島という、日本を守る砦の話。
資源の話。
いろんな話が詰め込まれています。
著者のメッセージは、こういった問題が山積する中で、私たちは未来の日本人のため、どんな日本を渡せばいいのだろう?という事。
残したい日本を、残したい形で命をつなぐ。
そんな事を考えさせる一冊でした。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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