はじめの一行
序章 私からあなたへのメッセージ
私の人生の使命は、単に生き延びることではなく、成長すること。
情熱と思いやりとユーモアとスタイルを持って成長すること。マヤ・アンジェロウ 活動家、詩人、歌手、女優
読者の皆さんへ。
世界で最も大きなたばこ会社の求人広告の一行目には「#MakeHistory(世界を変える)」と書かれています。
これは、明らかに求職者が意図的に騙されている例と言えるでしょう。
私はキャリアの大部分を広告代理店で過ごし、人が必要としないものや買う余裕のないものを売ってきたので、これを見るだけで、とんでもない「デタラメ」だとわかります。
章のはじめを名言格言からの引用で始めるというのは、海外の本ではけっこう多いですね。
章にあった格言を引っ張ってくるのは大変だと思うのですが、その章を端的に表しているであろう短い文章は、読み手にとってはとてもありがたいです。
そこから、企業の本音と建て前的な話になってきます。
広告代理店という事ですから、世の中のきらびやかなものを見せて人の欲望を喚起することを続けてきたのでしょうが、だんだんとそれに疲れてきたのでしょうか。
続きが気になります。
本書の内容
仕事と人生の目的は一致しない!?
たとえば、私がよく知るある企業は、「挑戦」と言いながら、挑戦をしない体質の会社です。
きっと社内的には、会社の売上には挑戦するんでしょうが、顧客が求めている挑戦には関心がない。
企業も悪気があるわけではないのでしょうが、体質的にだったり、上場企業だと株主への忖度があったり、なかなかうまく行かないものです。
近年の自己啓発の世界では、会社が合わないならやめてしまえ、という風潮もありますが、本書は少し違います。
仕事は仕事、人生の使命は人生の使命、それを分けて考えてもいいんじゃない?という事を提案しています。
収入を得るための仕事と、人生の目的を追求することは、分けてもいい、と言っているのです。
いえ、むしろ、収入を得るための仕事にすべてを求めてはいけない、とさえ言っているような気もします。
確かに、会社を経営している立場なら、そのパーパスと利益を合致させる工夫は実行できるかもしれません。
しかし一サラリーマンであるならば、それはなかなか難しい。
であるならば、会社における自分と、そこからスピンオフした自分を使い分けることもアリなのかもしれない。
時間の壁
ただ、そうなった場合、朝から晩までくたくたに働き、なおもなにかビジネスやボランティアを始めるとなると大変。
とにかく時間が足りません。
そんな事の解決策については、著者の経験が役に立つかもしれません。
もともと副業的に始めたホームレスの支援が、いまや素晴らしいビジネスモデルに成長しています。
その過程を知ることで、私たちにもできるかもしれない。
そんな風に思わせる一冊です。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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