ノンフィクション

「コミュ障」のための社会学-生きづらさの正体を探る

はじめの一行

はじめに

恥ずかしながら、告白します。
大学時代の僕は、抽象的な講義にさっぱりついていけませんでした。
社会学部に入学しながら、1年時の試験で「社会学」が不合格だったのです。それも、教科書持ち込みの試験だったものですから、「そんな奴はおらんやろ」と友人たちから嘲笑の的となりました。
まして、「社会学」は学部の必修科目。2年次までに単位を取得しないと、専門科目を学ぶ3年生になれません。

「コミュ障」のための社会学-生きづらさの正体を探る(岩本茂樹)

…ということで、著者は今は社会学の先生をやっているわけですが、学生時代にはからっきしだったというはなし。
そういった学びが、自分の中で急に重要度を増して、どのように社会の中で活かせるかを感じたときのことを語ることで、本書や社会学への関心を喚起するような、はじめにのように感じました。

本書の内容

コミュ障

コミュニケーション障害という言葉、ここ数年でよく使われるようになりました。
ざっくりコミュ障と言っても、色んなレベル感はあると思います。
例えば本書のまえがきで取り上げられている例は、学校を進学した時、学内で集まる学生たちの輪にどうやっていいのか?と感じて前に踏み出せなかった話。
実は私自身も、中学時代、高校時代と、クラスという村社会の中で、自分はどういう立ち位置にいればいいのか、どういうキャラクターであるべきか、なんてことを試行錯誤してた時期を思い出します。
さて、こういったコミュ障を何とかしたい、となった時に一番初めに頭に浮かぶのが心理学的アプローチ。

たとえば、コミュ障の原因を探り、それを解消するとか、
そもそもコミュニケーションの円滑なとり方を学ぶとか、
まあいろんなアプローチはあろうかと思います。
しかし、本書が採るのは社会学的アプローチ。
即効の効果はないものの、有効なものという事。

社会学的アプローチ

コミュニケーションスタイルを変えることなく、コミュ障の問題を解決するとなった時、何ができるのでしょうか。
本書では、そもそも人は同じ世界を見ていない、という前提を提示します。
何が良くて、何が良くないか。
そういった価値観さえ、人によって違ってきます。
そもそもコミュニケーションがうまく行かない原因の一つは、その上手下手以前に、そういったものの見方や価値観の違いがあります。
その価値観の違いを脇に押しやって、コミュニケーションを語ることはもしかしたらかなり乱暴な話なのかもしれません。
だから私たちは、いろんなもの見方や視点があるという前提を持つことで、社会や、自分自身も、もっと広く受け入れられるようになるのではないか。
そんなメッセージを感じ取りましたが、いかがでしょうか。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。
Amazonでのご購入はコチラ

仕事ではなく世界を変えよう「パーパスの神話」に騙されないために前のページ

そして、最高の自分へ。~心を縛る「インポスタ―症候群」を乗り越えるヒント次のページ

ピックアップ記事

  1. 成長マインドセット
  2. 残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する
  3. はじめに
  4. 脳は「ものの見方」で進化する
  5. ある犬のおはなし

関連記事

  1. ノンフィクション

    友だち幻想

    はじめの1行はじめに-「友人重視指向」の日本の高校…

  2. ダニエル・カーネマン

    ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか?

    はじめの一行第22章 エキスパートの直感は信用でき…

  3. ノンフィクション

    悪の脳科学

    はじめの一行喪黒福造の「誘惑の悪魔」としての手口…

  4. ノンフィクション

    だれもわかってくれない: 傷つかないための心理学

    はじめの一行はじめに---他人があなたを見る目は歪…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。







  1. ビジネス書

    頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現す…
  2. ビジネス書

    なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践
  3. ピエール・ルメートル

    その女アレックス
  4. スピリチュアル

    バガヴァッド・ギーター
  5. アルフレッド・アドラー

    人生の意味(人生の意味の心理学): 人生を生きる勇気
PAGE TOP