はじめの一行
はじめに
人は、足りない何かを埋めようと、いつも次の瞬間に何かを探しています。でも本当は、世界中が求めているものが、 すでに今ここに、誰にでも平等に用意されているのです。これが、真の現実です。この本で提示することは、本来のナチュラルな現実 ─ ─ もう一つの現実です。
人は何かを探し求めている。何か足りないものを埋めることで心が満たされる、と。
けどそうじゃないんだよ、というのが本書の書き出し。
はじめに本質をズバリと語っています。
本書の内容
すべては今ここに在る
いわゆる、ノンデュアリティに関する本。
で、筆致はいたって断定口調で、シンプルです。
ズバリ結論を書いてきます。
四の五の言わず、聞け、ぐらいの感じです。
それを事細かに説明する…という感じではないので、ノンデュアリティの考え方になじみのない方にとっては、少し理解に苦しむかもしれません。
しかし、ある程度、ノンデュアリティの考え方をかじっている人には、この自身に満ち溢れた断定で、「やっぱりそうなんだ」と納得を得られるかもしれません。
たとえば、つねに何かが足りないと感じている人っているのではないでしょうか。
生きづらさというか、心にぽっかりと穴が開いたかのような感覚を感じている人です。
そういった人は、その穴を埋めるために何かに夢中になってみたり、何か高い目標を打ち立ててそこに向かおうとする。
しかし、まずは目標ができた、できない、という話で一喜一憂し、さらには達成すればその高揚感はすぐ消え、また次の高揚感を目指す。
結局キリがないわけです。
このキリのない渇望感に終止符を打つのは、自分を消すことだ、と本書は言います。
本書の前半は、そういった著者の体験、解釈、考えなどを表現しています。
一方後半は、恐らく講演などで行われたQ&Aの生々しいやり取りが収録されています。
ちょっと唐突感がある構成ですが、聴講者の素朴な疑問への回答は、私たちの参考にもなります。
全体としてかっちりまとまった本というより、粗削り感は残っていますが、その生々しさが魅力の一冊。
頭で理解しようとせず、言葉に身をゆだねるというか、疑いを抱かず、オープンハートで「へー、そういう物なんだ」と受け入れていくと、
だんだんと理解が深まってくるのかな、という気がします。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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