目次
はじめの一行
はじめに 脳は鍛えられる
私は多くの同僚医師とは異なり、脳神経外科医はおろか、医師になることを強く望んで育ったわけではなかった。小学生の頃は国語の先生に憧れていたこともあり、作家になりたいと思っていた。医学の道を選んだのは私が13歳のとき、祖父が脳卒中を患った頃のことであった。私は、祖父ととても仲が良かったので、彼の脳機能が急激に変化するのを目の当たりにして衝撃を受けた。
本書執筆のきっかけというか、原点が書かれているように思います。
しかし、医師になりたいわけでもないにもかかわらず、その仕事をやるというのはなかなかな強い意志の力が必要ではなかったでしょうか。
だから研究畑へ行ったのでしょうか。
本書の内容
脳を鍛えるというより…
本書のタイトルを見たとき、まさに脳を天才的に使い尽くす方法、的な印象を受けていました。
しかし実際のところは、どちらかというと認知症防止というから、老化にあらがうための秘訣が書かれている本、というのが近い認識です。
だから、現在の自分の脳のパフォーマンスアップを期待して本書を手に取ると、ちょっとがっかりするかもしれません。
ただ、今も大事ですが、将来も大事。
年を重ねていく中で、認知症ってやっぱり大変なので、あるていどコントロールはしておきたいところ。
で、脳を若く保つためにはどうすればいいのでしょうか。
一時期一世を風靡した、脳トレ的なものはほとんど効果がない、というのが本書の立場。
実際にそんな研究論文があるようです。
むしろ、強調するのは運動習慣。
例えば、週末に散歩をするとか、ランニングをするとかいう事でいいのですが、それをやるかやらないかで相当の違いがあるようです。
そして出来うるなら頻度は、週に1~2回というより、、週に4~5日くらいはやったほうがいいようです。
約1時間の運動をできるような生活習慣が作れるとよさそうです。
あとは、食事について。
細かい部分は色々ありますが、詳細は本書をご参照ください。
それ以外では、つながりが大事という事。
これはもう肌感覚でもわかりますが、シニアが一人になるとやっぱり一気に老けてしまいます。
たとえば、奥さんに頼りっきりだった男性が奥さんをなくすと、一気に認知症が進むなんてことは良く見聞きします。
あとは、新しい学びが大事とか。
常に変化を取り入れていかないと、人はさび付いてしまうのかもしれません。
海外の翻訳本の注意点
今回は、タイトルと中身のギャップが個人的にはきつかった一冊。
まあ、個人的な思い込みだったと言えばそれまでなんですが、気をつけないと、です。
途中から雲行きが怪しいな…と思ったのですが。
もちろん、内容は生涯にわたって大事な脳の扱い方ではあるものの、ニーズと供給のアンマッチが判明した時点で、やっぱり損した気分になってしまいます。
実際にAmazonのコメント欄はそんな内容が多かった気がします。
可能であれば、翻訳本については最低でも原書のタイトルは確認して買ったほうがアンマッチが減るのでしょうね。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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