はじめの一行
なぜ、仕事に「思想」が求められるのか
これから講義を始めます。
この講義のテーマは、「なぜ、働くのか」。
この「なぜ、働くのか」というテーマは、
一九九九年に上梓した私の著書
『仕事の思想』の副題、
「なぜ、我々は働くのか」から採ったものです。この『仕事の思想』という著書は、
一人の職業人としての立場から、
仕事において、我々が抱くべき「思想」について語ったものです。
田坂広志氏らしい、どことなく思い印象を受ける始まり方です。
実はここで触れられている、「仕事の思想」という本、読んだことがあります。
けっこうストイックな内容だった記憶があり、それ以来、軟弱な私は田坂広志氏の本は避けておりました。
しかし、前回ご案内した「死は存在しない」がけっこうすごい内容だったので、改めて読み返しています。
本書の内容
死生観と仕事
本書のテーマは、死生観、歴史観、世界観から仕事の思想を身につけよう、というもの。
特に死生観は重いテーマです。
田坂広志氏曰く、成功者の多くは、大病、戦争、投獄と言った経験をされているようです。
なるほど、それは確かに、とおもうふしがあります。
で、田坂氏は、私たちも仕事に想いを乗せるにはそういった経験が不可欠であると言います。
そういえば、七田チャイルドアカデミーの創始者、七田眞氏は、自ら意志の力で大病をしたとか。
そうしないと、大きくなれないからだと何かの本に書いてあった気がします。
ただそれらの事はなかなか選んでできる体験ではありません。
従って、本書では、そういった経験の手記を読むことで疑似体験をしようと言います。
おススメされていたのが、「きけわだつみのこえ」でした。
仕事というもの
とかく、田坂広志氏は仕事というものを重く見ています。
前述の通り、「仕事の思想」という本を読んで、あまりにもストイックな内容に重さを感じていました。
本書も同じ重さがある本ですが、「死は存在しない」を読んでここに戻ってくると、なんとなく理解できるものもあります。
どうも本にせよ、映画や物語にせよ、その時の自分の在り方と、別のタイミングでのそれを見たときとは、受け取り方がまったく変わるものですね。
今、「仕事の思想」を読むと、また違った感想を持つかもしれません。
このところ、過去に読んだ本でその当時理解出来なかったり、ピンとこなかったものをいろいろ読み返す機会を持つようにしています。
意外な発見があるので面白い。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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