ビジネス書

「僕たちのチーム」のつくりかた メンバーの強みを活かしきるリーダーシップ

はじめの一行

はじめに もやもやを抱える、すべてのチームリーダーに捧ぐ

僕たちは社会の中で生きている。社会には無敵のチームがあり、みな、どこかのチームに属している。そして、リーダーもメンバーも、成果を出そうと頑張っている。しかし実際には、モチベーションに個人差があったり、メンバーが何を考えているのかわからなかったりして、「チームの力を発揮しきれていない」と感じているリーダーもたくさんいる。

「僕たちのチーム」のつくりかた メンバーの強みを活かしきるリーダーシップ(伊藤羊一)

何らかのチームにおいて、基本的には前向きな思いがある。
なのにチーム全体としては、うまくいかないことが多いのはなぜだろう。
誰一人悪くないのに、なぜかうまくいかない。
そこに潜む課題を本書では明らかにしていきますよ、という期待感を持たせるまえがきです。

本書の内容

「想い」の詰まった一冊

本書全体の印象としては、チームを作っていくにあたってやるべきことは確かに書かれています。
ただむしろ、そういった「何をやるか?」よりも、著者の熱い思いの方が強く伝わるような内容に感じました。
実は、ハウトゥの部分に関しては、シンプルに「リーダーとしてやっておいたほうがいい」ことを列挙しているぐらいの感じで、そこの深い探究はそんなに表現されていないように思います。
それ以上に、文章に勢いがあり、著者の思いがこれでもか!?とぶつけられているように感じる内容になっています。

メンバーにフォーカス

ハウトゥの部分は、一つ一つの事に深く入り込むというより、比較的さらっと触れる程度。
ただ、項目として挙げられているものは、最新のチームビルディングの中で活用されているものがもれなく書かれています。
そういう意味では、リーダーになった人が、これから何をやっていこう?と思ったときに本書を手に取るといいと思います。
すべてを一気にできなくとも、一つ一つ重ねていけばいいと思います。

特に本書では1on1を重視しています。
本質的には、メンバーを知り、その良さを引き出すことに集中せよ、というのが全体を通してのテーマと言えるかもしれません。

上級者向けのサジェスチョン

全体を通して、平易な文章で読みやすく、内容もそんなに難しいことは書かれていません。
人の常識的な感覚の中で理解できるものばかりで、細々した小手先のテクニックを説くものではありません。
そして、実際に様々な組織運営にかかわってきた方なら、だいたい経験したし、その中でトライ&エラーを繰り返した内容も多いと思います。
ただ、ある章はとても大事だな、と感じました。

5章 組織を超えて集まる「ヨコの場」のつくりかた

この部分です。
というのは、組織はある程度の機能分化を果たすと、必ずできるのが部門間のミゾ。
その溝を意識し埋めていこうという章になります。
実はリーダーによっては、この溝について認識できずに組織崩壊を起こしてしまうケースもありがちです。
私自身もいろいろ苦い経験をしました。

チームができてくるまではこの賞はあまり意識する必要はないと思うのですが、チームができたときにこそ大事なってくる章だと思います。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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