小説

人間の顔は食べづらい




はじめの一行

グロなタイトル、グロな描写

この小説、そもそもタイトルが気味が悪い。
この君の悪さがそのままキャッチコピーになっているのかもしれません。
そこに合わせるかのように、物語の冒頭もあまり美しいとはいいがたい情景の描写から始まっています。

二〇××年十二月三十一日。
家路を急ぐ人々の影も減りはじめた大晦日の夜遅く、ある高名な政治家が、ホテルのバルコニーから飛び降りて墜落死した。
幸いにも落下地点が灌木の植え込みだったため、死体を地面からはがすのに苦労する必要はなかったが、皮膚や臓器の多くが破裂し、半径二メートルほどにわたって血液が迸っていた。第一発見者の青年によると、顔面には無数の小枝が突き刺さり、視神経ごと飛び出した眼球が提灯のように揺れていたという。
死亡したのは、衆議院議員二期目の野田丞太郎氏。時の野党に属する若手議員の筆頭として知られていたが、大衆受けはあまり良くなかった。与党に属する人気政治家であり、高校時代の学友でもある冨士山博巳の好敵手とマスコミが持ち上げたばかりに、冨士山の鋭い舌鋒にさらされ、都合の良い言い訳ばかりしている野党の代表格という、不名誉な烙印を押されていた。

人間の顔は食べづらい(白井智之)

本書の内容

単に悪趣味な小説か?

本書の設定がけっこうおもしろい。
物語は近未来の話。
新種のインフルエンザで鳥や豚など、家畜という家畜が全滅。
動物性たんぱく質を摂取する手段が常にそのウィルス感染というリスクにさらされた時代。
最も安全な食べ物として、クローンで作った人間を加工して食すという何とも酸っぱい設定。

こういった事が合法化された時代のお話。

ただ、この本が単にグロい世界を求めた内容かというと、実はそうでもありません。
全体を通して、そういったグロい表現はさほど多くは出現せず、ストーリーはかなりしっかりしています。

割といろんな”仕掛け”のある小説だけに、どこまで話していいのかわかりません(;^_^A

近未来に起こる殺人事件

主人公は、そのクローン人肉を製造する工場に勤める和志という男。
彼は、工場で育てられたクローンを梱包する部署で働いている。
こういったクローン、さすがに顔を出荷するのはご法度となっている。
なにしろ、自分で食す人肉は自分の遺伝子から作られるから。
自分に酷似した顔を見ると、食欲も失せる。
というわけで、和志はその首を廃棄する部署にいた。

あるとき、冨士山のもとに届けられた肉。
ここに廃棄されたはずの、首がついて届けられた。
一帯こんなことをするのは誰だ!?
激怒した冨士山はその犯人探しをするのですが、生首を混入できるのは和志以外にはいない。
そんな結論に至り、和志が呼び出される。

そのごでるわでるわの複雑な設定は、感心するばかり。
最後の最後、事件は意外な方向に発展する・・・。
といった感じ。

 

私はこの手のグロい話はあまり好きではありませんが、読み始めるとまぁ止まりません。
そういった話に耐性のある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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