小説

記憶屋




はじめの一行

都市伝説

この小説は、記憶屋という都市伝説が話の中心になっています。
その記憶屋というのはしかし、都市伝説というには情報は少ない。
そんな小説はこんな書き出しから始まります。

「記憶屋」という都市伝説を遼一が初めて聞いたのは、小学校にあがる前のことだ。
夕暮れ時、講演の緑色のベンチに座って待っていると、記憶屋が現れる。そして、消してしまいたい、どうしても忘れられない記憶を、消してくれる。
近所の老人たちの間では有名な話だった。
遼一の祖母なども、誰かがうっかり物忘れをすると、「記憶屋が出たかねえ」と言って笑ったものだ。
幼かった遼一は、それを物語として聞いた。三つ年下の幼なじみが怖がるのを、作り話だよ馬鹿だな、と笑った事もある。
その時は、信じていなかった。

男と子供が、向かい合って立っている。どちらも顔は見えない。
白い煙。黒い革靴。灰色の布。ひるがえる。遠くで何度かクラクションが鳴る。
伸ばされる腕を見る。
逃げろ。逃げろ。
誰に言っているのか、自分に言っているのか、わからないまま繰り返し、しかし足は凍ったように動かない。
そこでいつも夢は終わる。

記憶屋(織守きょうや)

このエピソードは、その後も重要な話となるので、繰り返し出てきます。

本書の内容

都市伝説にまつわる悲喜こもごも

記憶屋という都市伝説があり、主人公の遼一はその都市伝説を調べることになる。
そこに自分の身近な人が何かしらの影響を受けている可能性があると考えているから。
しかし、調べれば調べるほど不可解。

というのは、都市伝説として話が伝え広がるほどにその話は面白味があるわけではない。
追いかけられるとか、あり得ないほどの恐怖があるというか・・・
とにかく地味なのだ。
それでも小さなコミュニティの中で語られる都市伝説。
火のない所に煙は立たぬ、ということも可能性として考えながら遼一はその都市伝説を調べる。

その過程で、知り合う人々。
彼らはどうやら、その都市伝説の主にアクセスしているらしいということを知る。
自分も記憶屋に会えないか。
身近なあの人は、実は記憶屋に狙われているのではないか。
などなど、ごちゃっとした話になって、最後のクライマックスを迎える。

結末は言えないけれど・・・

さすがに結末はお伝え出来ませんが、なんとなくしっくりこないエンディング。
それは納得感がないというわけではなく、ちょっとしたどんでん返しが仕込まれています。
そのどんでん返し、なんとなくえー!という感じ。
おもしろいけど、これで終わるなんて・・・という微妙な読後感。

次の作品が出ているので、ここと繋がっているのかどうかが気になる一冊。

あ、一応「ホラー文庫」という立て付けですが、ホラーって感じでもないです。

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