ビジネス書

革命のファンファーレ 現代のお金と広告




はじめの一行

革命のファンファーレは誰が鳴らすのか?

この本を読む前、「革命のファンファーレ」は、著者である西野氏がならすぞ、というものだと思っていました。
しかし、どうやら違う。
それはすでに、誰が鳴らすともなくなっている。
彼は、そう考えている。

なるほど、それはもっともな話で、世の中は革命と言えるほどに変化しています。
それを訴える言葉は、まえがきにもずいぶん表れています。

「やりたいことが見つからない」という人がいる。

これを読んでいるあなたも、もしかしたら、その一人かも知れない。
そして、大人はあなたを指して、「ゆとり世代」だとか、「さとり世代」だとか、「草食」だとか云々かんぬん。
自分たちに比べると、まるで最近の若者は”人としての能力が低い”といった言い草だ。
ただ、「最近の若いやつは……」という苦言は、それこそエジプトの古代遺跡にも象形文字で刻まれていたぐらい手あかのついた言葉で、おそらく人類誕生時から今までずーっと言われ続けている事だろう。
もし、その言い分が正しければ、人類なんて、とっくに絶滅している。
スケールダウンを繰り返している生物が生き残るわけがない。

だけど、僕らは今日も生きている。
時代や環境に合わせて、アップデートを繰り返してきたからだ。
動物であろうと、植物であろうと、いつの世でも主として優秀なのは”年下”で、これは抗いようのない自然界のルールだ。
若者世代への批判は、そのほとんどが”進化への乗り遅れ”に他ならない。
だから僕は年下を肯定するところから考え始めるようにしている。

革命のファンファーレ 現代のお金と広告(西野亮廣)

本書の内容

いけ好かないヤツ?

この西野氏、恐らく好きという人と嫌いと言う人、完全に二分されていると思います。
本人も、本書の中で言います。
自分の好感度は地に落ちている、と。
不倫や麻薬、犯罪に手を染めたわけでもないのに、あり得ないほど高感度が低い。
けど、それを彼は容認しています。

どんな形であれ、話題になることはすなわち広告である。
しかも、お金のかからない広告。
このあたりの考え方、アメリカの過激なマーケティング・グルの考え方に近いかもしれません。
なによりも、実績が伴っている。
こりゃあ、否定はできませんね。

本書の内容の半分は、お金についての内容。
お金と言っても、いかに稼ぐか?という話ではなくて、お金の価値観は暴落し始めているという話。
じゃあ何がお金の代わりになるのか?というと、著者は信用だといいます。
たとえば、クラウドファンディング。
これは、まさに、信用があれば可能だけど、信用がなければ不可能。
多くのタレントは、企業からの広告のために「ウソ」をつかざるを得ない。
ウソをつく人を、人は信用しない。
そんなシンプルなルールを語っています。

他人の時間を使え

広告に関していえば、ざっくり言うとどのようにバズらせるか。
煙突町のプペルを販売した際のバズらせ方だけでなく、さまざまな”しかけ”をネタばらし。
というか、この本も、プペルを連発しています。
これまたやはり、その絵本に関心を持たせるための広告手段の一つなのかもしれません。

はじめは、微妙な気持ちで手に取った本書。
余りにおもしろすぎて、一気に読了しました。
全体的に余白も多く、読みやすくもあるし、書いている内容も理解しやすい。
なのに、マーケティングのかなりディープな実践事例が載せられているのでかなりお勧めです。

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