はじめの一行
ある過酷なレースを常勝する選手の秘密
本書には、監訳者によるものと、著者による序文がある。
今回は、著者によるものを取り上げました。
序文 なぜ、「成功する人の条件」をだれもが勘違いしているのか
これまでに二人の選手の命を奪った、危険なレースがある。
代表的なアウトドア雑誌の『アウトサイド』が世界で最も過酷な耐久イベントだ」とまで断言したレース・アクロス・アメリカ(RAAM)のことだ。参加者はサンディエゴからアトランティックシティに至るアメリカ大陸を自転車で横断し、約四八〇〇キロを一二日以内に走破しなくてはならない。
なるほど、ツール・ド・フランスみたいなものかと思うと、これが全く違う。ツール・ド・フランスは一日ごとのステージに分かれ、休息日も設けられているが、RAAMはひとたびスタートすればゴールまでノンストップ。睡眠や食事、休憩のためにペダルから足を離そうものなら、その間にも競争相手に抜かれるかもしれない。そういうわけで選手たちは期間中やむなく、平均三時間の睡眠で長距離レースに耐え抜くしかなくなる。
この文の後に、この過酷なレースに何度も優勝した選手のことが出てきます。彼は、身体能力としては取り立ててほかの選手と差はなかったものの、ある部分において、特筆すべきものを持っていたといいます。それは、「狂気」といいます。
本書の内容
エビデンスに基づいた成功法則
本書の基本的なコンセプトはこうだ。
世の中には成功法則というものがあふれている。しかしその内実は、著者がうまくいった事例を挙げているとか、ざっくりした観察から導かれたものとか、そんなものが多いという。
これらは、再現性が低い可能性がある。
これらを、徹底的にエビデンス(証拠)を提示しながら論じていく。
つまり、科学的に証明できる成功法則をまとめよう、と。
そこそこ厚い本だけに、内容は多岐にわたっています。
ただ、最後の最後、ここからはネタバレになりますが、著者はこうまとめている。
成功にとって重要なのは、調整力だ、と。
もう少し詳しくお話しすると、成功に至る道筋は実はたくさんある。
例えば、内向的な人も、外交的な人も、実は戦略次第では成功できる。
その戦略の選択においては、己を知り、己にあった行動や習慣を取る。
これこそが本質的な意味での普遍的な成功法則になりえるのではないか。
そんなまとめがされている。
どうか、その過程の様々な戦略を、本書の中から読み取っていただけると、あなたの前には道が開けるのかもしれない。
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