目次
はじめの一行
世代間の「やる気」の変化
本書の始まりは、やる気、モチベーションの源泉を世相から切ることから始まっています。
いかに引用したような、団塊世代以上の価値観がいまだ世間にあふれる中、今の30代以下の人たちは全く違った価値観を持っているといいます。
逆に言うと、世間に流布するモチベーションの源を信じなくてもいいよ。
なぜなら、時代は変わっているから。
若い世代にそう語りかけます。
モチベーション革命
出世するため、お金のため、モテるため、おいしい食事やワインを楽しむために、人生まるまる仕事に捧げる上司を見て、「自分はこうはなれない」「自分はこうはなりたくない」と思ったことはないでしょうか。
やる気がないわけではないけれど、そんな上司のようなモチベーションは自分にはない。かといって、何のためなら頑張れるか、分からない。そんなことを思ったことはないですか。
実は、「なんのために頑張るか」という働くための価値観、つまりモチベーションが、ある世代を境に大きく変わってきています。
フジテレビの日枝久元会長、読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡邊恒雄さん、元総理の森喜朗さん……。
団塊世代より10年以上も上の彼らは、戦後の何もなかったころに、欲望とともに成功に向かって駆け抜けました。
お金を稼ぎたい、広い家を建てたい、いいクルマを買いたい、きれいな女性を抱きたい。欲望への飢餓感と上昇志向とともに成り上がっていきました。
ないものを、いかに埋めるか。それが最大のモチベーションだったのです。
本書の内容
現代のモチベーション論
前述した古いタイプの価値観で、団塊世代以上の方は頑張ってきました。
彼らを乾いた世代と言います。
なぜなら、ないものをもとめる。
こういった乾きがモチベーションの源泉となっているからです。
しかし、今の若い人たちは、生まれたときにはものに囲まれて生きてきた。
そんな彼らを乾けない世代といい、彼らには違ったモチベーションの源が必要だといいます。
理解されない若年世代
さて、こういった価値観の転換が起こっている一方、若い世代の上司は乾いた世代。
上司の評価は、自分の価値観で行われますから、最近の若い奴は……というお決まりの文句に帰結します。
一方、若い人たちも、そういった上司世代の価値観を見習おうとします。
乾いた世代を、乾けない世代がまねしようとする。
すると、やっぱりオレは、やる気が足りない。
覇気がない。
モチベーションが低い。
そんな風に自己嫌悪してしまうかもしれません。
しかし、本書はそんなことを気にする必要はない、と説きます。
そしてそんな時代の中で、若者がどう生きていくかを指南する一冊。
私は団塊世代でもなければ、30代でもありません。
その中間。
グラデーションのかかった世代の人間ですが、それでもとても心強く感じた一冊です。
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