セス・ゴーディン

セス・ゴーディンの出し抜く力: 先がわかる人は、何を見ているか




はじめの一行

監訳者のことば

本書には、著者によるまえがきではなく、まずは監訳者の言葉として、神田昌典氏の言葉が紹介されています。
比較的長い文章なのですが、中身に触れることなく、本書に向かうワクワク感を表現しています。
「皮膚の下に染み込む」という表現が、よっぽど気に入ったのでしょうね。
この文章の中にも二回使われています。

行動しなければ意味がない!
まわりには、準備しただけで安心してしまっている人ばかり。
もちろん準備は大切だけど、もっと大切なのは、その準備を行動に移すこと。

厳しい環境でもトップを走るビジネスリーダーは、何を考え、どう動くか
時代の先を切り拓く人の言葉

なぜだかわからないけれど、頭の中で止まらないメロディに、あなたも取りつかれたことがあるだろう。
振り払おうと努めれば務めるほど、それはかえって大きな音で脳内に響き始める。
せっかく忘れられたと思っても、気づかぬうちに口ずさんでしまい、また頭の中をめぐり始める。

そうした楽曲は、必ずしもオリジナル性に富んだ歌詞を伴っているわけでも、完成度の高いコード進行に裏付けられているわけでもない。
むしろ当たり前のことを当たり前に表現した楽曲なのだが、それはあなたの頭の中に棲みつき、皮膚の下に染み込み、あなたの人生のひと時を刻んでいく。

こうしたメロディが止まらなくなるのは、正直、迷惑だが、あなたが手に取っている本書にちりばめられている言葉も同じように、あなたにまとわりついて離れない。

試しに、この本を、どこからでも開いてみていただきたい。すると、あなたの頭のなかに、スーッと入り込んでくる、読みやすい文章が並んでいる。
気づいたら、そのセクションを、何ら苦労することなく読み終えているはず。そしてまた意識することなく、あなたの目は、次のセクションの文字の上を、スーッと滑り出す。

しかし、迷惑なのはこれからだ。
彼の言葉は、頭の中を駆け巡り、皮膚の下に染み込んでくる。
そして、あなたが行動をとるまで、つねに、あなたを揺るがし続けるのだ。

セス・ゴーディンの出し抜く力: 先がわかる人は、何を見ているか(セス・ゴーディン)

本書の内容

ブログの集大成

本書は、著者であるセス・ゴーディン氏のブログをまとめたもののようです。
洋書では、1000ページを超え、重量1kgにもなる分厚い本だとか(汗)
それを国内で販売するにあたって、内容を厳選したもの。
一つ一つの章は、ブログがベースなので決して長くない。
ただ、その深い考察と、シンプルでわかりやすい文章は、グイグイと引き込まれるものがあります。
全体を通して、これ、というテーマが見当たるわけではないので、一貫性を持って読みたい人にはしんどい本かもしれません。
逆に、ぱらぱらと関心のあるタイトルを読んでいくには、結構重宝する一冊です。

内容

本書の内容を知るには、タイトルを見るのが一番いいと思います。
ということで、目次の見出しをピックアップしてみると・・・

・とにかく「いま!」一つ何かをやってみる
・「チャレンジ」と「失敗」の因果関係
・「やらされ仕事」をつづけていいのか
・これからは「減らす技術」
・”未来”をきめつけてはいないか
・組織の「退屈さ」から抜け出す方法
・見て見ぬふりをしない勇気

なんだか、今の時代にマッチした記事で、ちょっと関心を持ったりしませんか?
これ、特に面白そうなタイトルを引いているのではなく、目次のはじめから順番にピックアップしてます。
こんなコラムが大量にあるのですから、なかなか読みごたえがあります。

いろんな考え方、物の見方を提案してくれる本書。
移動時間などの細切れ時間に読んでみてはいかがでしょうか。

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