はじめの一行
私たちは現実を見ていない
本書のはじめにでは、衝撃的な事実を提示する。
それは、私たちはありのままの現実を見ていない、ということ。
これは比喩でもなく、スピリチュアルな話でもなく、神経科学者の研究の結果です。
じゃあ、私たちが見ていると信じているのは、何なのだろう。
そんな好奇心を掻き立てるまえがきとなっています。
はじめに
目を開けると、何が見えるだろう?それは本当に、世界のありのままの姿だろうか?
人類はもう何千年も前から、この疑問について考えてきた。たとえばプラトンは、『国家』という本の中で、私たちが見ている現実は、洞窟の壁に映った影のようなものだと言っている。また映画『マトリックス』では、本当の現実と、現実だと思っている夢の世界が登場した。
私たちが見ている現実は、もしかしたら本当の現実ではないのかもしれないーーーこう考えると、私たち人間は、なんだか不安でもどかしい気持ちになってくる。18世紀には、哲学者のイマヌエル・カントが、人間がありのままの現実を見るのは不可能だと主張した。歴史をひもとくと、多くの偉大な思想家たちが、この問題について考えてきたことがわかる。彼らにはそれぞれ持論があった。しかし現代に生きる私たちは、神経科学に答えを教えてもらうことができる。その答えとは、『私たちは現実を見ていない』だ。
世界は確かに存在する。ただ、それが私たちの目には見えていないだけだ。私たち人間は、世界をありのままに体験していない。なぜなら、脳がそのように進化していないからだ。
本書の内容
あなたの意識変容を促す書
本書を一言で言うと、あなたのモノの見方を一変させる本、と言えそうです。
手に取るとわかるのですが、実に様々な刺激が用意されています。
この本には、あなたの見ている世界を変化させる仕掛けがいっぱいあるのです。
さて、この本の著者は、神経科学者と言います。
特に、「知覚」に関するスペシャリストのようです。
この知覚の世界というのが面白い。
まず、皆さんは、「錯覚」というのをご存知だと思います。
長さが同じ線を、ある一定の条件で並べると長さが違って見えるとかいうやつですね。
そもそも、こう見える時点で「現実をありのままとらえていない」ことの証になるはずです。
しかし、本書はそこだけにとどまりません。
もっと深い意味で、人が現実を見ていないことを、丁寧に紐解いていきます。
神経科学・・・難しそう。
そんな印象を受ける人には、安心してください、といいたい。
「履いています」ではありませんが、決して難しい話ではなく、普通の人が理解できる形で、また体感できる形で著者の持論を説明してくれます。
私の知覚は変わった?
前述の通りこの本にはたくさんの仕掛けがあります。
その仕掛けだけではありませんが、本書を読んだ後、私は自分の知覚が変わったことを実感しています。
それは人によって大きかったり、小さかったりするかもしれませんが、何かしらの変化は実感できると思います。
そういう意味では、ここ数か月で読んだ本の中でもぴか一のおすすめです。
ぜひ手に取っていただきたい一冊。
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TEDでの著者のスピーチが公開されているので、シェアしておきます。
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