小説

万能鑑定士Qの事件簿 II




はじめの一行

精巧なる贋作

角川書店に入社四年目、『週刊角川』の雑誌記者を務める小笠原悠斗にとって、凜田莉子という三つ年下、二十三歳の女性は実に気になる存在だった。
すらりと伸びた長い腕と脚、モデルのような抜群のプロポーションを誇る美人だからというだけではない。実際、その猫のように大きな瞳やぎこちなく見える笑顔も魅力的ではあるが、なにより圧倒されるのは、彼女の鑑定眼だ。
莉子は万能鑑定士Qなる店舗を経営している。飯田橋の神田川沿い、雑居ビルの一介の洒落た店だった。従業員はおらず彼女一人で働いている。看板は鑑定士となっているが、それはあくまで屋号に過ぎなくて、彼女は特別な資格を持っているわけではない。末尾のQの意味もわからない。
にもかかわらず、凛田莉子の持つ豊富かつ多岐にわたる知識と、鋭い観察力に裏打ちされた鑑定能力は、あらゆる物の成り立ちを瞬時に見抜き、真贋から価値まですべてをあきらかにする。まったく驚くべき女性だと小笠原は思った。沖縄出身だというが、どんな経歴の持ち主なのだろう。偶然の出会いから数日、莉子が過去をあまり話さないせいで、小笠原は今も彼女のバックボーンをつかみ損ねていた。

万能鑑定士Qの事件簿 II(松岡圭祐)

1巻は、問題や疑問が広がるだけ広がったこの万能鑑定士Q。
シリーズ2巻目は、その話が決着がつきます。
なんとも話は大きくなって日本は非常事態。
その始まりは、この巻から読み始めた人のための登場人物紹介から。

本書の内容

ハイパーインフレの日本

さて、本書はハイパーインフレになった日本というところから話は始まります。
「円」がまったく力を持たない。
そんな状況の中で、凛田莉子や小笠原が大活躍します。

もともと前巻での物語の始まりのきっかけとなったのが「力士」の絵が描かれたステッカー。
このステッカーの謎を解明しようというところから、莉子も小笠原も事件に巻き込まれていきます。
その話が、非常に大きく発展していきます。

その結果が、日本のハイパーインフレ。
私はこの結果だけを1巻でちらっと見ちゃったもんだから、もう気になって気になってしょうがない。

 

この本に限らず、松岡圭祐さんの本はいつもグイグイと引き込まれます。
どうやら複数の話が同時進行して、その話がすべて完結しないまま次の事件が起こったりする。
こりゃあなかなか止められませんね。

基本的に1冊の本を長時間読むのは苦手なタイプですが、気が付けばながい間読み続けてしまいました(笑)
なかなか面白いシリーズです。

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