はじめの一行
アマゾンはなぜリアル店舗を展開するのか?
オンラインでの顧客とのつながりを活かし、オフラインの顧客を争奪する戦いが起こっている。その先鋒がアマゾンだ。
アマゾンは、オンラインに軸足を置く企業だ。しかしいま、オフライン空間に次々とチャネルを設け、顧客を取り込もうとしている。顧客の自宅にアマゾンダッシュ(Amazon Dash)やアマゾンエコー(Amazon Echo)を、そしてリアル店舗としてアマゾンゴー(Amazon Go)やアマゾンブックス(Amazon Books)などを展開している。そして極めつけは、2017年に発表した米国の高級スーパー、ホールフーズ・マーケットの買収だろう。日本でも脅威として受け入れられ、大きなニュースになった。
しかし、この動きを単にオンラインからオフラインへの「販路の多様化」ととらえたのでは、判断を誤る。アマゾンの狙いは、販路ではない。ネットとリアルを融合させたチャネルを通して、顧客の行動データをつかむことだ。
本書のイントロダクションは、一般的な人が持ちがちな認識を覆すことから始まっています。
私に関して言えば、amazonがリアル店舗を作ったのは、オンラインではリーチできない層にリアル店舗でリーチするという単純な理由だと思っていました。
ただ、本書によると、実際はそんなに浅いものではない。
その先にあるものは何か?
そういった問題提起を、はじめに行っています。
本書の内容
オンライトオフラインを行き来するもの
冒頭に書いたとおり、アマゾンのリアル店舗戦略というのは、たんにリーチできる層を増やしただけのことだと思いました。
しかし、本書はそんなに単純なものではない、といいます。
例えば私はそこそこ本を買います。
そんなときに、たいてい、新しい本と出合うのはリアル書店。
そこでおもしろそうだな・・・と思ったときに、その場で即買う場合と、アマゾンのアプリを開いて注文する場合とがあります。
まあ、基準はあいまいですが、私なりのこだわりはリアルな本屋さんにも頑張ってほしいので、できるだけその場で買う。
ただ、冊数が多いと、持って帰るのが大変だったり、出張先だとやはり持ち運びが大変なので、アマゾンで注文したほうが楽なわけです。
だからどうしても、アマゾンで買う冊数が増えてきます。
じゃあ、その本屋さんでのチェックも、アマゾン傘下の店でするとすれば・・・
まあ、どっちにしてもアマゾンなわけです。
で、そのアマゾンの本屋さんだとアプリで買えて、持ち帰りも宅配も自由自在。
こりゃあありがたい、ってことですね。
そういった利便性もありますが、最終的には、アマゾン的には「欠けていた情報」が取れることになります。
それはリアル店舗で買い物した時の、そのユーザーの購買情報。
そこを埋めることで、もっともっと、ユーザーに適切な提案がしやすくなる。
本書ではそういった意味から、顧客ではなく、個客という表現がとられている部分があります。
アマゾンだけではない
こういう動きは日本の企業の中にもあって、たとえばリアルで採寸する紳士服店。
ここでは次の注文からは、その採寸データをもとに、オンラインでセミオーダーのスーツを注文できるようになります。
ZOZOタウンに至っては、採寸スーツなるものがある。
伸び縮みする体にピタッとする服を着ると、自動で体のサイズが計測されるとか。
こういったデータを持つことで、次回以降の買い物が楽になったりします。
なんにしても、これまでと違い、オンラインで買うか、オフラインで買うか、というところから、
オフラインとオンラインの接点を組み合わせることで、顧客の購買体験を上手に設計する。
これがいまの企業の戦略だということが豊富な事例とともに紹介されています。
いやー、目からうろこでした。
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