はじめの一行
まえがき
先に、『人間を考えるーーー新しい人間観の提唱』というテーマで、人間とはどういうものか、どのような本質を持っているかということについて、一つの考え方をまとめ、発表いたしました。そしてその後、そうした人間の本質を正しく発揮し、共同生活の調和向上を実現していく道、いいかえれば新しい人間観に基づく人間道というものについて、「新の人間道を求めて」を草し、「新しい人間観の提唱」とあわせて、『人間を考える 第一巻』として発行した次第です。
そのような基本的な人間観と人間道に基づいて、現行の共同生活における政治、経済、教育、宗教などの諸活動のあり方というものをさらに考えていくことが大切だと思います。そうした実社会の諸活動が適正に行われてこそ、人間の本質も正しく発揮され、真に好ましい共同生活も生まれてくると思うのです。日本と日本人について(松下幸之助)
なかなか重いまえがきです。たぶんですが、この当時の松下幸之助さんといえば、近年でいう船井幸雄さん的に本を出せばヒットしていた人じゃないかと思います。それだけ多くのフォロワーを持った人。だから、小手先のテクニックでまえがきに衝撃的な提案をする必要もなかったのでしょう。本書自体が売れたかどうかはよくわかりませんが、やはり松下幸之助さんの本であることが重要だったような気がします。
本書の内容
歴史から見た日本人観
本書を読んでいて驚いたのは、要素の1/3くらいは歴史を紐解いています。
太古の時代から天皇がいて、それを犯さざるものとして時の為政者は、天皇をリスペクトしながら政治を行う。
あるエピソードが紹介されています。
それはGHQのマッカーサーと当時の天皇のやり取り。
あるタイミングから、それまでぞんざいな扱いをしていた天皇に対して、尊敬の意を表します。
それほどまでに天皇は魅力的な人間性を持っていた、と。
といっても、もちろん天皇礼賛の本ではありません。
そもそも日本人の持つ資質というものが、それほどまでに崇高である、と。
そんな日本人の首座を、見失ってはいけない。
首座に立った行いを、と何度も繰り返します。
哲学者?
あるひとは、松下幸之助さんを「あの方はもはや経営者というより、哲学者といったほうが正しい気がする」なんておっしゃっていました。
経営を通じて、世の中を変えていこうとした松下幸之助さん。
そしてある時期が来て、それが軌道に乗った時、自分の考えを広く知らしめるために出版事業を始めた。
社員教育というか、社員をモチベートしてきたノウハウを使って、日本人をモチベートし始めたのかもしれません。
私にとっては異色なテーマと思えた本書、けっこう、深く心に刻まれる内容だった気がします。
たぶん、今の時代に、リバイバルされるべき内容だと感じました。
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