目次
はじめの一行
マイクロサッカード
時事共同通信社の記者、綿貫達彦は、入社四年目にして日本の歴史上でも最悪とされる事件の取材に駆り出された。
山手トンネル事件。ニューヨーク、ワールドトレードセンタービル崩壊の9・11同時多発テロに匹敵する、あるいは上回る規模の惨劇。崩壊した地下トンネルに閉じ込められた二千百十八人のうち、生還できたのはわずか、四百八十九人。
西新宿入り口のスロープをふさいでいた瓦礫が取り除かれ、報道関係者の出入りが許されたのは事件集結の三日後だった。綿貫は先輩の記者と、カメラマンとともに暗黒の地底に足を踏み入れていった。
遺体はまだ残っていた。現場のそこかしこにロープが張られ、救急班が回収しきれなかった犠牲者の身体、もしくはその一部が存在していた。ほとんどの遺体にはビニールの覆いがかけられていたが、それも十分に数が足りていないのか、放置されているものもあった。
生々しい山上の爪痕を眺めただけでも、食事はのどを通らなくなった。死の恐怖にさらされ、実際に多くの生命が失われるのを目の当たりにした生存者たちの心情はいかなるものだろう。想像することさえ心苦しい。
ここに書かれている山手トンネル事件は、ずいぶんグロい話になりました。
ということで、それ以降読むのにはそれなりに警戒しながら読んでいたのですが、今回はさすがにそこまではなかった。
まあ、後半多少バイオレンスなシーンはありますが、ごくわずかです。
こういったシリーズ物の始まり方はけっこう難しいと思います。
連続で読み続けている人でも、少し新作までの期間があけば、内容は忘れがち。
それを思い出させることも必要だし、登場人物の説明も必要。
とくに、登場人物の描写は、小説にとってはキモなので、簡単に飛ばすこともできないし、常連さんに配慮するとくどくど説明することもできない。
そんな中で、山手トンネルという強烈な出来事は、過去作品を思い出させるキーワードとしては最適かもしれません。
本書の内容
友、あらわる?
さて、本書の1つの見どころは、なにか?ときかれれば、私はこう答えます。
岬美由紀に初めてといってもいい、心の友が現れる、と。
といっても一筋縄ではいきません(笑)
なんだかんだ言って孤独なんですね、この主人公は。
本書に関して言えば、割と内容は盛りだくさんで、自衛隊時代の話もあり、現在の話もあり。
それ以外のところでの問題もあり。
まあ、あっちやこっちやでやらかしてくれます。
とはいえ、過去作品ほどの派手さはない。
だからといってつまらないかというと、これがなかなかいい感じで終わります。
ま、この辺りは読んでからのお楽しみ・・・ということで。
結局これを読んだところで、なんのこっちゃ?という話なのであらすじは、Amazonの紹介やレビューを参考にしてください。
ところで表紙の女性、森下千里に見えるんだけど、ちがうのかな?
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